
Sakana AI事業開発チームのメンバー
Sakana AIは、2023年の創業以来、革新的なリサーチにフォーカスし、常に業界の枠を超える技術革新を追求してまいりました。今回、これまでの研究成果を実際のビジネスに展開するため、新たに「事業開発本部」を立ち上げました。
同本部長には、LINEヤフー株式会社でCDO(最高データ責任者)として大企業でのデータ・AI活用を牽引してきた谷口博基が就任します。谷口の下に、コンサルティングファーム、政府機関や事業会社の経験者からなるビジネスチームを設けるとともに、Preferred NetworksでCTO(最高技術責任者)としてAIの研究を実用化してきた奥田遼介の下に、第一線で活躍するAI技術者から構成されるエンジニアリング&リサーチチームを設けました。
事業開発本部は、約20名の体制でスタートします。これにより、既存の研究開発チームと合わせ、Sakana AIの人員は合計50名規模となります。
谷口:「例えば金融機関では法規制や商品が複雑化する一方、人や紙による業務が多く残っています。我々の技術が業務の効率化・高度化に十分生かせると確信しています。今春にも顧客へのサービス提供を開始したいと考えており、事業開発本部の人員は、現在の2〜3倍に順次拡大していく考えです。」
技術革新の集大成を実務に活かす
Sakana AIは、2024年8月にAIが自ら研究論文を書く「AIサイエンティスト」の技術を公表しました。今年1月には「蒸留」と呼ばれる学習の仕組みを応用し、巨大なAIの基盤モデルを小型化する技術「TAID」を発表するなど、常に、グローバルな水準で最先端の技術開発を実現してきています。
モデル作りの革新:進化的モデルマージ (2024)、TAIDによるTinySwallow-1.5B (2025)
Sakana AIが開発した進化的モデルマージは、生物の進化プロセスを模倣して複数のオープンソースモデルを自動的に融合し、個々のモデル単体では発見困難な斬新な能力や高い汎化性能を引き出す革新的な手法です。TAIDによるTinySwallow-1.5Bは、巨大な32Bパラメータモデルから知識を効率的に蒸留して1.5Bパラメータの軽量モデルを生成し、スマートフォンでも高速に動作可能な高性能日本語特化LLMとして2025年に登場しました。 これらの技術は、計算リソースを大幅に削減しつつ最先端の性能を実現できる点が大きな魅力であり、低コスト・低消費電力で特定分野や多言語対応のモデル開発を加速させ、顧客企業の競争力向上が期待されます。
Agentの実装化:AI Scientist (2024)
AI Scientistは、Sakana AIが開発した、研究アイデアの生成から実験実施、論文執筆、査読までの科学研究プロセスを自動化するAIシステムです。このシステムは、従来数週間かかっていた研究工程を大幅に短縮できる可能性を示しました。その結果、限られたリソースでも迅速かつ効率的に科学的発見を促進できるため、研究の民主化と加速が期待されています。また、このシステムは、科学研究だけでなく、様々な分野のワークフローの自動化に応用が可能です。高度な推論能力を持つAIエージェント技術を実装できれば、あらゆる分野において生産性の大幅な向上が期待されます。
ビジネス現場での具体的な応用事例
Sakana AI 事業開発チームでは、これまで研究してきたこれらの最先端技術を実際のビジネス課題に結び付け、顧客企業と共にソリューションの開発・実装を進めます。初期のターゲットとしては、
ビジネスチーム
- 谷口 博基 (CDO at LINE Yahoo, McKinsey&Company, MBA, MS)
- 田附 千絵子 (SONY, METI, MBA, PhD)
- 中川 貴徳 (Sumitomo Mitsui Banking Corporation, MBA, CFA)
- 竹馬 匠泰 (EY Strategy and Consulting, PhD)
エンジニアリング&リサーチチーム
- 奥田 遼介 (CTO at Preferred Networks, MS)
- 中郷 孝祐 (2x Kaggle Grandmaster, Preferred Networks, SONY, MS)
- 合田 晴紀 (Omron, MS)
- Benjamin Liao (Woven by Toyota, MS)
- Thomas Auzard (Elix, MS)
- 兼松 孝行 (SVP at Medley, Deloitte)
- 牧野 太郎 (New York University, PhD)
- 石田 隆 (The University of Tokyo, RIKEN, PhD) (*)
(*) Part-time at Sakana AI
谷口 博基 |
中郷 孝祐 |
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東京大学工学系研究科修了後、マッキンゼーにてテクノロジー領域を担当、2013年にヤフージャパンに入社。全社の戦略立案や事業開発、データを活用した新規事業の立ち上げ、CDOとしてデータの活用とガバナンスに責任を持つ。テクノロジーの価値を人や社会に届けるという想いを追求するため、2025年3月にSanaka AIに入社。 |
東京大学理学系研究科修了後、Sony (Malaysia)にてテレビのソフトウェア開発を担当。2016年にPreferred Networksに入社し、Deep Learning の製造業領域への応用・Chainer Chemistryの開発・PFCCにて汎用原子レベルシミュレータMatlantisの立ち上げ・PFEにて国産LLM PLaMo-100Bの事後学習に携わる。日本から世界へAI技術を発信していくビジョンに共感し2025年1月にSakana AIに入社。 |
Sakana AI 新設事業開発チームへのご応募をお待ちしています
Sakana AIは、世界中の最先端AIの研究成果を実ビジネスに根付かせるべく技術と実務の双方に精通したエンジニアリング・ビジネス、両方のプロフェッショナルを求めています。自らのスキルを活かし、業界の未来を切り拓く仲間として、あなたの挑戦を心よりお待ちしております。
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